Work Vol.12 私式のDTP校正&練成法

原稿は様々な情報でできています。

・季節のご挨拶などの定型句。
・銘柄や価格、MAPや電話番号などの情報。
・写真やイラストなどの装飾。
・媒体の説明文。
・それらを理解しやすいようにまとめるレイアウト。

などなど、これら多くの項目全てがきちんと満たされて
初めてデザインが完成するわけなので、校正方法についても
「区別して校正する」と、より正確な校正ができると考えています。
 

ご挨拶の定型句の校正

本屋やネットで探せば、定型句は沢山転がっているのですが、
心を込められる時間的余裕があるときや、心を込めたい相手には、
定型句と言えど、より丁寧なご挨拶を送りたいものです。

定型句の校正としては、基本的な文字の誤りのほかに
・送り主の季節に沿っているか、季節を先取りしすぎていないか
・「謹啓&敬白」「拝啓&敬具」など、送り主の肩書きに失礼がないか
など、社会的な常識に適っているかの校正が必要になります。
ビジネス用語集などを買えば、基本的な書き方は載っていますが、

例えば、結婚式の厳粛な挨拶に粋なユーモアが含まれるように、
ご挨拶文についても礼を尽くした上でのウィットならば好意になります。
ご挨拶を送る相手の土地での出来事や、風物詩などを挨拶に織り込めば、
相手を気にかけている気持ちが真摯に伝わるご挨拶になります。
 

銘柄や価格、MAPや電話番号の校正

商品名・販売価格・電話番号・住所・MAP
これらは絶対に誤植できない情報ですね。

西武百貨を西部百貨と間違え、危うくガンマンに狙われそうになった
当時デザイナー1年生だった時の失態を今でも覚えていますが、
これらの校正の時に、私は「ゲシュタルト崩壊」の作用を利用しています。

【ゲシュタルト崩壊とは…】
「全体性が失われ、個々にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象」
を指すのですが、「見慣れた文字の群」を切り離して校正するために
1回目をゲシュタルト崩壊状態で校正し、2回目は普通に校正します。

例えば名前などの文字数が少ないものは漢字を分解して読みます。
これは「沙織」と「紗織」を間違い入稿した恥ずかしい過去に由来するのですが、
これらの漢字を「沙=みずすくない」や「紗=いとすくない」と読み、
漢字の雰囲気に飲まれずに校正をする方法です。

また商品名や電話番号や住所については、通常左から読むものを右から読みます。
大概の住所や電話番号が「03」や「東京」から始まってしまうと、校正行為に
ある種の「慣性」や「リズム」が産まれて見落としや隙ができるからです。

・坂玄道区谷渋都京東(さかげんみちくたにしぶときょうひがし)
・東京都渋谷区道玄坂(とうきょうとしぶやくどうげんざか)

この2者を比べると前者が読みにくく、読みにくさが一字一字への
注意をより強くさせていると思います。

また、MAPについては移転が多いチェーン店などの表記は
クライアントからの要望がない限りは極力避けるよう指示し、
老舗や銀行や警察など、永い期間目印になるものをピックアップさせます。
また、昼と夜では街の景色は一変するので、クライアントが店舗の場合は
営業時間なども視野にいれて駐車場をピックアップするなど

グーグルマップに逃げられないようなMAPの作成を心がけます。

また、「Yahoo」「Google」「マピオン」などとも照らし合わせ、
テナントが変わっていないか、チェーンが移転していないか、
それがチェーン店であれば、チェーン店のサイトを見て有無を確認します。
 

写真やイラストなどの校正

写真やイラストなどは、コンセプトに即していれば間違いを探すのが
困難なので、モノクロでも理解できるよう印刷されるかを確認します。

例えカラーでの納品であっても、出先での取り扱いまでは管理できません。
「カラー印刷の原稿がなくなったから、仕方なし白黒コピーで対応した。」
なんてことは、自社の営業でもやっていることだと思います。

そういった場合に絵で伝えたかったはずの大事な部分が虚仮てしまわないか?
特にデザインの色気のクオリティを左右する絵の部分には、虚仮て尚栄える
絵とする気配りが大切です。
 

説明文の校正

自分が良しと思って書いた文章の構成はなかなか難しいものですが、
ターゲットが明確化されれば、校正の規範ができます。

「小学生でも読めて理解できる文章にしなさい。」というのは
かの有名な色々な方々が文章の書き方について述べている事で、
・できるだけ漢字を使わない。
・同じ意味合いの言葉を続けない。
・同じ接続詞を続けて使わない。
・専門用語をできるだけ使わない。
などなど、上げたらキリがありませんが、

私は「頭が疲れたときに読んでも内容が分かる文章。」と定義し
しんどい気持ちで目を通してアカをつけるようにしています。

そのアカは大抵がサラッと読んで「分かりにくい」ものなので、
マークアップした表現をどうすれば分かり易くなるかを次に分析して、
更にアカを書き込みます。なので、私のアカはいつも丸で囲まれており、
その中に更に「トル」や「ケス」などの校正が書かれています。
 

【まとめ】レイアウトの校正

私はレイアウトの校正を最後にしています。
校正の段階で掲載情報の優先順位が決まっていない原稿では、
レイアウトの校正をする意味がないことに最近気付きました。

DTPのレイアウトとは原稿の中に一つの流れを作る作業であり、
「読者の目をいかに目的にスムーズに導くか。」
達成すべきことはたったこれだけなんです。

そして、その達成の為に上記で取り上げた様々な掲載要素があり、
それらを「意味のある優先順位」に従って配置して、MAPやイラストや
写真などの華やかさが加われば素敵なデザインになりますが、

これ、基本的な骨組みは書類と変わらないんですよね。

むしろ、装飾が掲載要素を阻害するなら、シンプルな書類の方が良い。
でもそれではつまらないし商売にならないから素敵にレイアウトする。

つまり、掲載要素の校正は的確にユーザーを導くためのお膳立てであり、
写真の説明文なら、写真の隣に。補足文なら最下部に。マップの隣には
ロゴや電話番号を配置。イラストはタイトルに関連付けてキャッチに。
など、掲載要素と優先順位が揃えば必然的にレイアウトが決定するので、
校正についても同じ道を辿ると理に適うのではないかと思うわけです。

そうなるとレイアウトの校正は、パッと見で情報の導線を見るだけ。
各々の校正が正確終わった最後で良いのです。

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